第64回:うるさくて眠れない?!「耳鳴り」の話

第64回:うるさくて眠れない?!「耳鳴り」の話 健康コラム

~知ってるようで知らないこと~

耳鳴りとは?

耳鳴りとは?

 とても静かな場所で、鳴っているはずのない音が聞こえてくることがありますが、この症状が“耳鳴り”です。「ジージー」「ザーザー」「ゴーゴー」「ピー」「キーン」など、音の感じ方は人それぞれですが、耳鳴りが酷くなると音そのものの不快感のほか、集中できない、眠れない、会話が聞き取れないなど、日常生活に支障をきたすようになります。

耳鳴りは“脳の過剰反応”

耳鳴りは“脳の過剰反応”

 人間の耳は、外界からの全ての音をキャッチしています。キャッチした音は、空気の振動として外耳から中耳、内耳まで伝わり、内耳の蝸牛(かぎゅう)で電気信号に変換され、聴覚神経を経て脳へ伝わります。そして脳内にある前頭皮質の機能によって“必要な音”と“不必要な音”に分別され、不必要な音は無視するように選択的な処理が常時行われています。

 ところが、何らかの理由で蝸牛の機能に異常が生じると、電気信号が弱まってしまうため、脳は過剰に興奮して電気信号を増幅させて感知しようとします。この脳の興奮状態は音が鳴ってない時でも起こっており、それが耳鳴りとして聞こえるようになります。

耳鳴りの原因

耳鳴りの原因

 耳鳴りは、加齢をはじめ様々な原因によって引き起こされます。

😣 加齢による蝸牛や聴覚神経の機能低下

😣 ストレスによる自律神経の乱れ

😣 耳垢栓塞(じこうせんそく=耳垢が溜まり、聞こえづらい)

😣 薬の副作用(向精神薬、鎮痛・解熱剤、抗菌薬、糖尿病治療薬、利尿剤など)

😣 更年期障害など、女性ホルモンバランスの乱れ(女性の場合)

😣 大音量でのヘッドホンやイヤホンの使用(音響外傷)

😣 騒音下での長期間の作業(騒音性難聴)

😣 疾患によるもの

突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍、老人性難聴、急性低音障害型感音難聴、耳硬化症、聴神経主要、外耳炎、中耳炎 など

日常生活の改善で耳鳴りを予防

日常生活の改善で耳鳴りを予防

 耳鳴りの予防は、普段から自律神経のバランスを整えるように配慮することが基本です。

☝ 規則正しい生活(特に栄養バランス&睡眠)

☝ ストレスを溜めない、リラックスする

☝ イヤホンやヘッドホン使用時は、音量に気をつける

☝ 騒音下での作業は耳栓などを使用する

☝ “耳鳴り”を気にしない(注意を他に向ける)

近年注目のTRT(音響療法)

近年注目のTRT(音響療法)

 耳鳴りは“脳の過剰反応”ですので、あえて“耳鳴り”に意識を向けないことも大切です。この点に着目して開発されたのがTRT(Tinnitus Retraining Therapy=音響療法)という治療法です。

 TRTでは、補聴器のような静かな雑音の出る機器を一定期間装着し続けて生活し、「不快な音」と認識していた耳鳴りの音を、自然の音のような「意識していない快適な音」へと脳の認知を書き換えていくように訓練します。

突然耳鳴りが出現し長く続く場合や、耳鳴りのほかに「めまい」「吐き気」「頭痛」など、別の症状を伴うようであれば、早めに医療機関を受診するようにしてください。

 耳鳴りは、健康な人にも起こります。例えば、飛行機に乗っている時や、新幹線でトンネル内を走行したときなど、一時的なものであれば問題ありません。しかし、耳鳴りの原因によっては、早急に対処が必要なケースもあります。突然耳鳴りが出現し長く続く場合や、耳鳴りのほかに「めまい」「吐き気」「頭痛」など、別の症状を伴うようであれば、早めに医療機関を受診するようにしてください。

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